XDDP導入ガイド:成功に導くプロセスと支援サービス
開発を支援する様々なこと
『XDDP』では必要最低限のプロセスとドキュメントを定めています。しかし、品質を保ち、継続的な開発を進めていくためには「レビューの実施」「適切な見積もりと計画」「要件の管理」「公式ドキュメントの維持」「開発プロセスの更新」などの、開発を支援する様々なことも必要になります。
レビュー
一般的な「派生開発」では、担当者があたりを付けてコードを変更するという、思い込みによる変更が行われています。そのため、問題が多く発生しています。この問題を解決する効果的な方法はレビューしかありません。『XDDP』では3つの成果物を用いることで、変更箇所、影響範囲、変更方法等のレビューを実施することができます。
公式ドキュメントの維持
一般的な派生開発では、新規開発の流れに沿ってドキュメントを完成させながら変更の作業が進められます。したがって、変更仕様の改訂が頻繁に起こるような場合は、ドキュメントの変更回数も増えていきます。しかし、限られた時間の中ではコードの修正が優先され、ドキュメントの更新がなされないまま、開発が進められてしまいます。
『XDDP』で作成するドキュメントは全て既存資産との「差分」です。テストで変更の正しさを確認し、問題がないと判断した時点で、公式な設計文書へ「差分」をマージします。そのため公式文書の変更を1回で済ませることができます。
見積もりと計画
限られた期間で慌てずに『XDDP』に取り組むためには、サイズに基づいた見積もりが不可欠です。『XDDP』では見積もりをするタイミングと、各タイミングにおいて何に着目して見積もりするかを定めています。また『USDM』において、Before/Afterを記述することで見えてきた「変更の量」や「難易度」も、見積もりに活用します。
モレを逃さない要件追跡リスト
暫定の仕様や、一度要求仕様が確定した後に生じた変更は、全て「要件追跡リスト」に登録します。この時、変更作業担当者とは別の人を追跡担当者として確保します。追跡担当者は『XDDP』のプロセスに沿って作業を進めるよう、変更作業担当者へ促します。また実現性が危ぶまれている変更要求仕様などもリストに登録し、適切に設計・実装されたかを追跡します。このようにすることで、忘れがちな追加や変更への対応も逃さずに進めることができます。
XDDP導入に「よくある問題」
『XDDP』を導入する際によくある問題として、まず、現状の問題を明らかにせずに『XDDP』に飛びついてしまい、効果が出ないといった問題があります。『XDDP』導入にあたっては、現状のプロセスの問題点を明らかにし、『XDDP』による改善をイメージできるようになってから導入する必要があります。
次に、「スペックアウト」が十分できていないまま、あいまいな状態で『USDM』を記述することがあります。このような状態では「変更要求仕様」として不十分であるため、実装でモレや勘違いに気づき、手戻りすることになります 。
また、実際に『XDDP』を実践してみると、「要求」や「仕様」をどう分割していいかわからず、途方に暮れることがあります。仕方なく、思いついた「要求」と「仕様」のみを記述し、先に進むことで、仕様のモレに後になって気付くことがあります。
さらに、大規模だからといって端からあきらめてしまい、【トレーサビリティマトリクス】(TM)を省略することがあります。これにより、変更の影響による不具合が後になって見つかるといったことが見受けられます。
『XDDP』は、比較的早い段階ではっきりとした効果が得られる技術です。しかし、誤った適用や正しくない導入により、失敗してしまうケースもあります。それを未然に防ぐためには、経験豊富な専門家に依頼することも、一つの方法と言えます。
既存のソースコードの変更や追加機能に特化した、派生開発プロセス「XDDP」は、「派生開発」の混乱を鎮め、バグ発生率は1/5から1/10に減少し、工数も平均で3割程度削減できると報告されています。しかし、いざ「XDDP」を適用しようとすると、様々な障壁があったり、狙った効果が出ないなど、なかなかうまく行かないといった声も多くお聞きします。
エクスモーションでは、「XDDP」導入のカギは「効果的な導入計画」と「実践上のポイント・コツの習得」の2つにあると考えています。
この2つをリーズナブルな価格*と最小限の期間で支援するのが、『「XDDP」スタートダッシュ支援』です。
*具体的な価格につきましては、お問い合わせください。
「XDDP」スタートダッシュ支援サービス概要
「XDDP」スタートダッシュ支援サービス構成
お客様のご要望に合わせて、3つのタイプの支援をご用意しております。
①プロジェクト導入計画作成
「XDDP」を導入しようとしても、最初はどこからどう手をつけたらいいのか、どうすれば効率よく導入できるかが分かりません。
エクスモーションでは、まずお客様のプロジェクトの状況を把握し、確実に効果を出しながらステップアップできる計画を、「XDDP」導入のロードマップとして作成いたします。
②「XDDP」実践トレーニング
どんな技術も、実際に体験してみないと身に付きません。
エクスモーションの「XDDP」トレーニングは、「XDDP」提唱者である清水氏公認の演習中心のトレーニングです。「USDM」による「変更要求仕様書」の作成や「TM」の作成など、実際に手を動かしていただくことで、実践でのリスクを軽減するとともに、自信を持って取り組むことができるようになります。
③「USDM」サンプル作成
いざ、実際の開発の変更要求仕様書を「USDM」で書こうとしても、最初は記述の詳細レベルもまちまちになったり、書き方に悩んで時間がかかったりしがちです。
そこで、最初にエクスモーションが実際のプロジェクトの「USDM」サンプルを作成いたします。それをベースにして、お客様が「USDM」を記述することで、記述のイメージがつかめ、以降の開発をスムーズに進めることができます。
④レビューセッション
初めて書いた「USDM」や「トレーサビリティマトリクス(TM)」、「変更設計書」は「これで良いのだろうか?」と不安になります。そんな不安を吹き飛ばし、自信を持って前へ進むための支援が、このレビューセッションです。
「USDM」による仕様記述では、範囲を明確にする具体的な記述や、もれのない分割の視点を見つけることが重要となります。そのような視点は「書く」→「レビューする」の繰り返しで体得するのが近道です。
「XDDP」導入初期の段階でレビューセッションを繰り返すことで、効率アップとスキルアップが可能となります。
XDDPによる「派生開発」の関連サービス
人材育成
『XDDP』の理解と実践力を身につけるためのトレーニングです。入門トレーニングは1日で概要を、実践トレーニングは演習を使って実践的なスキルを身につけます。
人材育成
『USDM』を使った「要求開発」を、実践的に学べるトレーニングです。演習中心で実践的なスキルを身につけます。
EurekaBoxは、オンラインで学べる総合学習&実践プラットフォームです。このコースでは、これからXDDPを学んでいきたいという人から、実践している人に向けて、コンテンツを用意しています。XDDPの基礎から応用までをわかりやすく解説します。
適用支援
コンサルティング
派生開発プロジェクトの診断、『XDDP』導入のための体制・計画作り、プロセスのカスタマイズ、『XDDP』に準じた開発支援など、1日単位での訪問から実際の成果物作成まで、ご要望に応じたきめ細やかな支援をご提供します。
適用支援
『XDDP』の導入スピードを上げるための、「プロジェクト」を対象としたサービスです。導入に必要なサービスをパッケージ化し、お手頃な値段にて提供しています。
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エクスモーションがご提案いたします。
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