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MBD開発支援

自動車の車載ソフトの開発現場は、ハイブリッド化・EV化などのような新たなパワートレインへの転換や、ISO26262の規格化など、大きな変化を迎えています。
これを受け、MATLAB/Simulinkによる「モデルベース開発」(MBD)の導入など、生産性と品質を向上させる取組みが進みつつあり、大きな成果を発揮しています。

モデルベース開発を導入することで得られるメリットは大きいが…

今、自動車の車載ソフトの開発現場では、MATLAB/Simulink による「モデルベース開発」(MBD)が急速に普及しつつあります。その主な理由は、「モデルベース開発」(MBD)を導入することで、従来開発に比べて、生産性と品質へのメリットが得られる点にあります。

たとえば、「モデルベース開発」(MBD)で使用されるツールである、MATLAB/Simulink には、数多くの部品が用意されており、これらをつなぐことで簡単にモデルを作ることができます。作ったモデルはその場ですぐ動きを確認できるため、モデルで記述した制御仕様の検証が容易になり早期の品質確保が可能となります。

更に、作ったモデルをそのまま実車に持ち込んで動作検証を行ったり、モデルからオートコード(自動コード生成)することにより実装工数を大幅に削減するなど、「モデルベース開発」(MBD)の導入により多くのメリットを享受することができます。

このようにメリットの大きい「モデルベース開発」(MBD)ですが、闇雲に取り組むだけでは以下のような問題が発生してしまいます。

「動かすこと」を重視したモデルでは量産開発や以降の「派生開発」で問題が...

MATLAB/Simulink で作成するのは、実装を前提とした制御モデルです。一般的なV字プロセスに当てはめると、「ソフトウェア詳細設計」で作られるモデルに相当します。そのため、それよりも前の段階で混入した問題については、何の手当てもできません。

例えば、要求の段階でどんな問題が混入されていようと、それに応じたモデルを作成することしかできません。要求のヌケモレや矛盾、誤解釈があった場合には、それをそのまま引き継いだモデルが作られます。

また、MATLAB/Simulinkモデルは、先行開発においては、制御仕様の正しさを確認するために効力を発揮します。しかし、「動かすこと」を重視して作られているために、それまでの開発の経緯が残っていなかったり、モデルの構造については、あまり注意を向けられていないようなケースもあります。

このようなモデルは、量産開発にそれを引き渡しても、モデルの意図が汲み取れず、理解するのが困難なため、以降の機能追加や派生開発まで考慮すると、保守性の面で大きな問題となりえます。

品質向上のための「品質開発」を機能開発と別に行う

これまで述べてきたように、これからは単に動くだけでなく、要求を満たして開発者にとって分かりやすいモデルを作ることが重要になってきます。

このような品質の高い MATLAB/Simulink モデルを開発するためには、先行開発で作られたモデルを元に、「要求に合致した(=妥当性のある)」「バグのない(=動作検証済みの)」品質が担保されたモデルを量産開発向けに作成する必要があります。そのためには、下図にあるように、機能開発だけに依存したこれまでの開発のやり方を変え、品質向上のための「品質開発」の活動を行うことが有効です。つまり、正しく「仕様化」した要求を量産品質の構造に「洗練」し、仕様の正しさと実装の正しさを「検証」していくことが必要です。

先行開発のMBD(要求のヒアリング、制御ロジックの検討と検証、Simulinkモデル)⇒量産開発のMBD【段階的なモデル検証】⇒【要求の定義と仕様化】⇒【統合テストのポイント】⇒【構造の整理】⇒【モデル検証】

「品質開発」には開発技術と知見と経験が必要、専門家に託すのも一つの考え方

新たな機能開発で多忙な中、品質確保のために時間や労力を割くことは困難です。また、品質開発では開発技術の知見と経験が必要であるため、自前で実施するには多くの時間を要します。市場で勝ち続ける製品を世に送り出し続けるために、品質開発を専門家に託すというのも、一つの考え方と言えます。

コンサルタントが教える成功の秘訣

シニアコンサルタント 三輪有史

ソフトウェアの設計手法には、オブジェクト指向だけでなく構造化設計などの手法も存在します。また、モデリング言語(表記方法)を考えても、一般的なフローチャート/状態遷移表/UML/SysML、ツール独自のSimulink/SCADE 、車両制御固有のAUTOSAR/EAST-ADLなど、十分すぎるほど存在します。世間の動向やツールに翻弄され、導入以前より開発効率が低下した経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

開発対象や現場の置かれた状況により、「どの設計手法・モデリング言語を採用すべきか」の共通解は残念ながら存在しませんが、分かりやすくメンテナンスしやすい、バグのないソフトウェアを早く作るという目的は変わりません。

エクスモーションは、お客様の状況や抱える課題を把握し、数多くの選択肢の中から、最適なソリューションを提案し、実践しています。

三輪有史【専門分野】車両制御、MBD開発支援、機能安全対応支援

コンサルタント 松井良太

HILSなど検証が上位になるにつれ、システムやコントロールユニットごとの独自の色が出てきます。例えばアナログな制御量が主出力となる制御ユニットと、デジタルな制御モードなどが主出力となる制御ユニットでは、効率的に検証結果を評価するための最適な仕組みは異なります。

またMILSを用いたV字工程の左側での上位検証と、HILSなどを用いたV字工程の右側での上位検証のどちらに重きを置くかについても、システムや開発体制などによってまちまちであると言えます。

エクスモーションではこれまでの様々な現場に対してMBD支援を行った実績を基に、お客様に最適な上流工程の検証プロセスおよび検証システムのご提案 をいたします。

松井良太【専門分野】自動車、機能安全

MBDモデルベース開発の関連サービス

保守性が下がったMATLAB/Simulink モデルにおける品質上の問題点を明らかにし、品質改善を目的としたリファクタリング(設計改善)の計画作成と実施、評価までを一括して請け負います。

運用プロセスや自動テストシステムの構築など、 HILSを効果的かつ継続的に利用できる仕組みを考え、「使える」HILSの環境づくりをご支援を致します。

EurekaBoxは、オンラインで学べる総合学習&実践プラットフォームです。このコースでは、これからMBDを学んでいきたいという人から、実践している人に向けて、コンテンツを用意しています。MBDの基礎から応用までをわかりやすく解説します。

適用支援

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品質開発のアウトソーシング

量産用の開発では品質が担保されたモデルを開発しなくてはなりません。しかし、新たな機能開発で多忙な中、品質確保のために時間や労力を割くことは困難です。エクスモーションは、得意とする品質開発のための専門技術を使って、お客さまに代わりモデルの品質を確保します。

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シミュレーション検証

MATLAB/Simulink やカバレッジ測定ツールなどと連携する自動化ツールを導入し、効果的なシミュレーション検証をより効率的に低コストで実施するお手伝いをします。

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リファクタリング支援

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HILS活用支援

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