「UML」+「オブジェクト指向」モデリング
1997年に「UML」がOMGで採択されてから、もう20年以上が経過しました。組込みソフトウェアの開発現場にも、「UML」によるモデル開発が適用され始めましたが、まだまだ定着したとまでは言えないようです。しかし、上流工程を重視するこの技術は、特に、新規でアーキテクチャを構築する時には欠かせないものです。
組込みソフトウェアには、丈夫で長持ちするアーキテクチャが必要
現在の組込みソフトウェア開発の現場は、多くの製品バリエーションと短い周期でのバージョンアップに追われています。一度アーキテクチャを作れば、短くとも5年、長ければ20年近くもそのアーキテクチャを使い続けます。
そのため、新規にソフトウェアを構築する時には、いかに丈夫で長持ちするアーキテクチャを構築するか、という点が、重要なポイントとなります。
では、丈夫で長持ちするアーキテクチャとは、どのように作ればよいのでしょうか?
「抽象化」により、丈夫で長持ちするアーキテクチャを
みなさんは、「UML」や「オブジェクト指向」という技術について、どのような印象をお持ちでしょうか?難しいといった声も聞こえてきますが、実は、「UML」や「オブジェクト指向」自体はそれほど難しくありません。それよりもむしろ、難しいのは対象となるシステムの知識を整理することです。
「UML」や「オブジェクト指向」は、その整理したものに対して、整頓するための観点を与えたり、その結果を可視化して、レビューし易くする、といった手助けをしてくれます。
特に「オブジェクト指向」で強力なのは『抽象化』という概念です。
「オブジェクト指向」における抽象化とは、物事の大事な部分だけを取り出して、本質的な構造や振舞いをモデル化する、ということです。そうすることにより、時間が変化しても変わらない普遍的なものと、そうでないものが明確となり、時間軸での劣化を防ぐことが可能となります。そのため、長持ちするアーキテクチャを構築するのに向いている、ということが言えます。
コンサルタントが教える成功の秘訣
「オブジェクト指向」による「モデル開発」では、『抽象化』は非常に有効な概念です。
ですが、その抽象化が逆に問題になることもあります。私がこれまで関わったお客様の中には、抽象化されたモデルを、なかなか理解できない方がいらっしゃいました。そのような状況において、抽象化はお客様にとって、むしろ足かせになりかねません。
エクスモーションでは、お客様の目的や理解度に合わせて、どこまで抽象化すればよいか、お客様に確認しながら進めていきます。例えば、「このような変更に対応できるようにしたいので、ここまで拡張性を設けます」といったように、そのような構造になった背景も合わせて解説することも大事です。お客様が納得して、その後の作業もスムーズに取り組めるようなモデルづくりを、エクスモーションがサポートいたします。
ものごとには、複数の見方があります。例えば、円柱も四角柱も、横から見ればどちらも長方形ですが、上から見ると、円と正方形の全く違う形に見えます。
分析とは、ものごとが持っている複数の見え方の、どの側面にフォーカスしてみていくか、ということを決めることです。ものごとをどの側面で見るかによって、その解法は当然違ってきます。「どの側面から見ると、どのような解法になり、それは適切なのか」といったように、複数の観点を比較しながら、最良の分析を見つけていく、そこが難しくも、面白いところです。
エクスモーションのコンサルタントは、まさに、このような分析作業を得意としています。「モデリング」の良いお手本づくりに、この強みを活用していただければ、時間的・費用的に十分メリットのある「モデルベース開発」を実現できると確信しています。
UML+オブジェクト指向の関連サービス
適用支援
UMLによる
モデルベース開発実践型支援
コンサルタントが直接お客様の開発現場にお伺いして、「UML」による「モデルベース開発」をを短期間で実際の製品開発に適用し、そこで作成した成果物をお手本としたスキルアップを同時に行うことで、「UML」による「モデルベース開発」の効果な導入をご支援致します。
適用支援
UMLモデルベース開発
プロジェクト診断
「UML」による「モデルベース開発」をすでに実践されているお客様や、これからの導入をご検討されているお客様を対象に、開発プロセスや成果物、プロジェクトに関わるメンバのスキル等、さまざまな観点でプロジェクトを診断し、問題点の抽出と改善の提案を実施します。
適用支援
UMLモデル診断
短期間で「UML」モデルの良し悪しを診断します。モデルの客観的な評価や改善点の抽出など、さまざまな用途にお手軽に活用いただくことができます。
人材育成
「UML」モデルを作成する前に、「抽象化」「整理整頓」の基礎力を上げることが、良いモデルを作成する第一歩となります。本トレーニングは指向を整理するためのいくつかの方法を、演習を通じて学ぶことができます。指向の癖は、1日では直りませんが、最初の一歩を踏み出すには、良いきっかけとなります。
人材育成
「UML」にはさまざまなビューとチャートがありますが、その使い方を誤ると、かえって開発効率や品質を下げかねません。本トレーニングでは、構造と振舞いのビューのそれぞれにフォーカスし、良いモデルを作るための考え方やコツを、多くの演習問題を解くことによって学ぶことができます。
人材育成
構造と振舞いの各ビューを組み合わせてシステムとして「モデリング」することを学ぶトレーニングです。実践的な演習問題を解くことで、実践力を向上させます。
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