1. HOME
  2. コラム
  3. コラム
  4. AIで解決するMBSE導入の課題|現場負担を減らす新プロセス

AIで解決するMBSE導入の課題|現場負担を減らす新プロセス

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
AIで解決するMBSE導入の課題|現場負担を減らす新プロセス

MBSE(Model Based Systems Engineering)は、大規模システムの全体最適化に有効な手法ですが、その“重たいプロセス”が現場の負担となり、導入の障壁となることも。要求の言語化や、システム全体の機能整理のような面倒な部分は、生成AIを活用することで“軽いプロセス”へと転換できるのです。

導入の壁:なぜMBSEの階層的・再帰的なプロセスは「重い」と感じられるのか

大規模で複雑なシステムを階層的に捉え、各階層において再帰的にプロセスを回していくのがシステムズエンジニアリングの基本的な考え方です。
しかし、これまで階層的な開発をしてこなかった現場では、作る成果物が増えることによる作業工数の増加を心配する人が少なくありません。手戻りが減ることでトータルで見れば工数が減ると理屈では理解していても、成果物の多い重たいプロセスは、その印象だけで心理的な負担を感じてしまうものです。負担感が大きくなれば、それは現場のモチベーション低下につながり、MBSEを組織的に実践していくことの障壁にもなってしまいます。

導入の壁:なぜMBSEの階層的・再帰的なプロセスは「重い」と感じられるのか

面倒で重たい作業の正体:要求の言語化とアーキテクチャ設計のモレなき精緻さ

システムレベルの開発では、ソフトウェアレベルの開発よりも抽象的な領域を扱います。詳細な部分に入る前に、全体としてどうするかを定義したいからです。
例えば要件定義工程では、製品としてどのようなユースケースを提供するか、どのような振る舞いを持たせるか検討し、その結果を言語化して要求仕様書として記述します。様々な検討を重ねた結果、決まったことを文書に残す作業は、大変重要でありながら実際にやるのは面倒で、作業者にとって負担に感じる重たい部分と言えるでしょう。
要件定義が終わったら、続いてシステム全体のアーキテクチャ設計を行います。ここでは、要求仕様書の記述に基づいて、システムの構成要素を定義します。この構成要素はシステム要求のすべてを満たしているものでなければならず、漏れがないように注意深く進める必要があり、精緻さの求められる作業です。こういったところもプロセスを重たく感じさせている要因のひとつではないでしょうか。

面倒で重たい作業の正体:要求の言語化とアーキテクチャ設計のモレなき精緻さ

プロセス軽量化戦略:AIが要求整理と設計要素定義を担い、人が決断する

こういった重たい作業もAIを活用することで人が実施するよりも生産性を何倍にも向上させることが可能です。
 要件定義工程における言語化はAIが非常に得意な作業です。AIよりも丁寧で読みやすく、正確な日本語を書ける人はほとんどいないでしょう。ユースケースや何らかの検討文書を与えることで、要求(システムとしてやりたいこと)の記述は人が書くよりも高品質、かつ見落としなく生成できます。仕様についてはAIで決められない部分が残りますが、AIに要求を整理させることで、人間が頭を使う部分に作業時間の多くを投入できるようになります。
アーキテクチャー設計も同様で、インプットとなる要求仕様書とそこからシステム構成要素を導出する方法、加えて過去の既存製品のアーキテクチャなどを学習させれば、的確にシステム全体の構成要素を定義してくれます。
しかも、すべての要求が漏れなく検討されるだけでなく、個々の構成要素の責務範囲が一貫しているなど、人がやるよりブレずに全体が構成されます。あとは生成されたものを人が見て、設計思想に合わない部分を手直ししていけばよいのです。

プロセス軽量化戦略:AIが要求整理と設計要素定義を担い、人が決断する

新しいパラダイム:「重たいプロセス」はAI時代にこそ優位性となる

生成AIを使う際は、大きなタスクを一度に実行させるより、小さなタスクを積み重ねていった方が望む結果になりやすいでしょう。途中段階で軌道修正させないと、小さなゆらぎが大きなひずみとなって生成されてしまうからです。
MBSEのように段階的詳細化を着実に実施していく重たいプロセスは、小さなタスクを少しずつ実行していくAIの特性にマッチしています。工程ごとにAIに作業させ、それを人がチェックして小さなゆらぎを抑え込んでいきます。
AIと人との共同作業を複数人が並行して進めていくには、作業標準となるプロセスが必要です。人がやるには重たいと感じていたそのプロセスであっても、AIに着実に作業をさせる局面では有効な武器になります。しかも、AIによってひとつひとつの作成工数は劇的に短縮され、重たいプロセスはとても軽やかになるでしょう。重たいプロセスでよかったとさえ思うはずです。
そのようにしてAIと共に作成されたMBSEの成果物は、システム全体を語る重要な資産として組織に蓄積されていくでしょう。MBSEを本格的に実践する土台は既に整っているのです。

新しいパラダイム:「重たいプロセス」はAI時代にこそ優位性となる

エクスモーションが提供する関連サービス

AI駆動プロセス導入コンサルティング

貴社の事業特性に応じたAI活用プロセス設計と導入を支援します。

システム設計支援サービス

MBD開発のアーキテクチャ設計を支援します。モデルの構造を洗練し、機能追加や派生開発に強い設計を構築。保守性と開発効率の両立を実現します。

関連ソリューション

サービスに関するご相談は
こちらからお願いします
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加