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スタートアップの成長をソフトウェアの品質面から支援(AIメディカル様)

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スタートアップの成長をソフトウェアの品質面から支援(AIメディカル様)

世界的に前例のない医療機器の"品質の作りこみ“を、共に実践頂いた

(株)AIメディカルサービス 遠藤有真 様
(製品開発部門 ソフトウェア開発チーム)

AIメディカルサービスは、「がんの見逃し」や「膨大なチェック作業による専門医の疲弊」といった現場の悩みをAIで解決し、世界の内視鏡医療に貢献するために創業されたスタートアップ企業である。

大腸がんの内視鏡画像AIは多くの企業によって研究開発が行われているが、AIメディカルサービスが製品化を目指している胃がんや食道がんを検出する技術、特にリアルタイムで検出する技術の開発に成功しているところはあまり例がなく、AIメディカルサービスは世界的な学会でもたびたび表彰を受けている。


目次

SUMMARY

◆スタートアップ支援 実施の背景:

  • 製品化に向けて薬事承認を取得する必要がある

◆実施前の課題:

  • 薬事承認を取得するには、ソフトウェアの信頼性をより高める必要がある

◆eXmotionが行った支援の内容:

  • ソフトウェアの信頼性向上、アップデートしやすさの向上、開発の効率化を実現するための取り組みをお客様と共に実施
  • アーキテクチャ設計からソフトウェアテストまでを支援したが、課題の解決のため、特にアーキテクチャの改善を重点的に実施

◆実施後の効果:

  • ソフトウェアの品質が向上し、品証試験においても不具合が大幅に減った


スタートアップ支援 実施の背景

遠藤様:
開発している内視鏡画像AIソフトウェアを使って、これまで基礎研究を実施してきました。AIと医師を比較する実証実験では専門医と同等もしくはそれ以上の精度という結果が得られています。現在は製品化に向けて薬事承認の取得を目指しているところです。



実施前の課題

遠藤様:
内視鏡画像AIソフトウェアは医療機器であるため、製品化にあたっては高い信頼性が求められます。薬事承認を取得する際にも医療機器への要求事項を満たしているかが審査されますが、要求事項には医療機器ソフトウェアに対する安全規格に準拠して開発を行うことも含まれます。

そのため、基礎研究で使っている内視鏡画像AIソフトウェアを製品化するには、規格に従った開発をして、信頼性をより高める必要がありました。そして、それを実現するには多くのソフトウェアの品質改善支援を行った実績がある外部の知見を活用することが有効であると考えました。

AIM打ち合わせ写真.jpg


eXmotionが行った支援の内容

eXmotion玉木:
製品化の際に求められる信頼性を向上させるだけではなく、製品をアップデートしやすくしたり、新たな製品を効率的に開発したりする取り組みをお客様と共同で行いました。具体的には、アーキテクチャ設計からテストまでをお客様と一緒に行う中で、品質を改善するための提案をしていきました。

特に基礎研究のために開発されたソフトウェアのアーキテクチャには3つの課題がありました。製品化に向けたソフトウェアではそれぞれの課題に対し以下のような改善策を採り、アーキテクチャの見直しを行いました。(※図参照)

①モジュール間の結合度が高くテストしにくい構造になっている

⇒結合度が低くなるようにアーキテクチャを見直し、テストしやすい構造にする

②サードパーティー製のライブラリを使用している箇所が散在しており、ライブラリが更新された時に影響確認がしにくい

⇒ライブラリを使用している箇所を局所化し、ライブラリ更新時の影響を受けにくくする

③一つの製品のみを意識した構造になっており他の製品を開発する際に再利用しにくい

⇒今後開発予定の製品も意識して部品を再利用しやすい構造にする

【基礎研究のソフトウェア】1.モジュール間の結合度が高くテストしにくい。2.サードパーティー製のライブラリを使用している箇所が散在。3.一つの製品のみを意識した構造⇒(改善)⇒【製品化に向けたソフトウェア】1.モジュール間の結合度が低い構造。2.サードパーティー製のライブラリを使用している箇所を局所化。3.部品が再利用しやすい構造


実施後の効果

遠藤様:
支援していただいたソフトウェアは品質が高く、品証試験でも想像以上に不具合が少なく、大きな問題なくリリースできたと考えています。

アーキテクチャも他の製品での再利用を考慮して設計したので、今後新たな製品を開発する場合も、品質は高いまま効率よく開発ができると思います。



今後の展望

遠藤様:
今後は多様な製品で薬事承認を取得していくことを見据えて、より信頼性や安全性を担保しやすいアーキテクチャになるように改善をしていきたいと考えています。

AIM担当者様.jpg
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eXmotion担当コンサルタントより

AIM様のビジネスは社会貢献性が高く、社員の方々がとてもポジティブなマインドで仕事をされており、またスタートアップとしての和気あいあいとした雰囲気も相まって、とてもよい職場環境だと思ったのが訪問当初の印象です。直接お手伝いをさせていただいた開発においても、メンバーの方々がそれぞれ個性や強みを発揮して、チーム一丸となって開発できたことは成功の大きな要因だったと思います。

先進的で変化が激しいAIテクノロジーの応用と、頑健で高い信頼性が求められる医療機器の開発という2つの側面を両立することは容易ではありませんが、ソフトウェアの創意工夫をつづけ、様々な製品を世の中に届けていただけることを期待しています。

スペシャリスト 玉木 淳治
専門分野

レガシーシステムの可視化と改善、ソフトウェア品質診断、コード解析、ツール開発

玉木 淳治のプロフィール写真【専門分野】レガシーシステムの可視化と改善、ソフトウェア品質診断 コード解析、ツール開発

株式会社AIメディカルサービス

所在地 〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目18-1 Hareza Tower 11F
資本金 58億円(準備金含む)
設立 2017年9月1日
事業内容 内視鏡の画像診断支援AI(人工知能)の開発
URL https://www.ai-ms.com/
株式会社AIメディカルサービス
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